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牡鹿群女川町は、宮城県の東、牡鹿半島の付け根にあたる町です。

本土の他にも、いくつか離島があり、有人島の江島、出島の他に二股島、平島、足島、笠貝島、などの無人島もあります。

東北には三陸海岸という世界三大漁場に選ばれるほどの海岸があります。こちらは青森の八戸市から宮城県の石巻市まであり、その石巻市の隣に女川町があります。

太平洋に面したギザギザした谷がリアス式海岸の特徴で、これが豊かな餌場となり、海にすむ生物の恵みになります。この恩恵を女川町も受けております。

石巻市に隣接しているため、三陸金華山沖漁場も近くにあります。元々霊験あらたかな場所ともされ、パワースポットとしても注目されております。

女川町は全域が三陸復興国立公園に指定されております。東北を語る上で、どうしても東日本大震災を語らざるをえません。

２０１１年に起きた津波で大きな被害を受けた地域ですが、その被害を一時的に流すだけじゃなく、国は後世にも長く伝えるように青森県南部から牡鹿半島を三陸復興国立公園に指定しました。

当時、女川町の住宅７割が津波に流されるという被害状況でしたが、女川町では震災から８日目に有志がプレハブに集まり、まちづくりの準備会を開きました。

そして、その約一か月後には商工会、水産業関係者らを中心に、女川町復興連絡協議会を立ち上げたのです。

当時の女川町の会長は、還暦でしたが復興には「復興に１０年、まちづくりの成果が分かるのに、さらに１０年かかる」と言いました。そのため、２０年後の未来を想定して、今３０か４０代の者が中心に活動していこうと決めたのです。

２０１２年には復興提言書を提出。同年四月には「女川町まちづくりワーキンググループ」を設置し、まちづくりに励んでいきます。

これだけスピーディーに、かつ無駄なく動けたのは、若者を信頼し、バトンを託したのもありますが、女川町は災害を受ける前は人口１万人で、住宅や建物が中心部に密集していたので、元々顔見知りで協力する土台があったのだそうです。

震災から４年が過ぎて、ＪＲ石巻線が全線開通し、JR女川駅も開かれます。

復興の象徴という役割もあった女川駅、震災前には隣にあった「女川温泉ゆぽっぽ」も駅舎の二階に移設され、建築家・坂茂のスマートなデザインにより、一新されました。

建物全体は鉄骨でできておりますが、各所の外壁は杉材が使われており、新しいながらも昔ながらの伝統も感じさせます。

天井は網の目のように木材の板が重ねられており、こちらはＬＶＬというもので、単位板を何十層にも積み重ねて使われ、強度をあげながらも、デザイン性高く、おしゃれな雰囲気を醸しております。

石巻線が復活しなければ駅も新設されず、若者たちの奮闘がなければ、このように成果も出せなかったでしょう。人々の想いが研ぎ澄まされ、励んでいくその姿勢は、今全人類が見習うべき姿かもしれません。

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