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利府町は、宮城県の中部にございます。

町の形は、池に飛びこむ金魚のような形をしており、南西が飛び込もうとしている頭、北東は金魚の尾ひれで、松島湾に面します。

またこちらは、馬の背とよばれる天然の桟橋があり、波の浸食によって細く削られた陸路だけでつながっており、樹木に囲まれながら周りの松島湾を一望することができます。

同じく利府町のほぼ真ん中にある館山公園は９０メートルの高台にあり、こちらから松島湾をのぞくことができるそうです。この公園はかつて利府城がありました。

この城は留守氏の家臣・村岡氏が築いたと言われております。

かつて応仁の乱があって以降、将軍の権威は堕ち、とても地方まで管理することはできませんでした。各地の有力者たちが下剋上し、周囲を占領していきます。

伊達家も宮城県南部で力を強め、周囲の武将たちも彼についていきます。その一人が留守氏で、伊達家同志が争った天文の乱でも戦いに参加しているそうです。

のちに、村岡氏が反乱し戦うことになります。これは留守氏の跡継ぐ者がいなくなり、伊達家から養子をもらおうという話から始まり。おそらく、それ以降伊達家の傀儡となるのを恐れたのでしょうか。村岡氏は反対の側につき、破れます。

その後は、留守氏17代当主・留守政景が城主になります。この政景が伊達家から養子になった者です。利府城は周囲に蠢く武将たちを抑えるにはちょうど良い場所だったのでしょう。また、この頃までは村岡城と呼ばれていたのが、利府城と呼ばれるようになります。

それから二十年ほどはこの城にいたらしいですが、この留守政景も豊臣秀吉が小田原征伐、後北条氏を秀吉が降した戦に参戦しなかったことで、のちにお叱りを受けて、改易されます。

そして話は最初にもどりますが、現在はなくなったお城ですが、町民が誰でも利用できる館山公園になり、春になると一斉に桜が咲いて、松島湾を眺めながら、優雅な気分を味わえます。

また、明治１７年には日野という人物が梨を持ち込み、約２０アールの水田を畑に変えて、１５０本ほどの梨を植えて育てます。こちらが現代は利府梨と呼ばれ、県内外に有名な梨ブランドとして成長します。

利府城の末路は悲しいものでしたが、その周りに住む人々は懸命に働き、生活して利府町を盛り上げていきました。

現在は町の方から男女共同参画や、夢チャレンジ応援助成事業を行っているほか、利府梨とJR東日本新幹線総合車両センターの共同で生まれたヒーロー、「梨ん幹戦士 ナシルバー」は利府梨のPRを行い、これからも励んでいきます。

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