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三次市は、広島県の北部に位置しております。

海から離れた内陸の町で、瀬戸内海気候とは違い、夏は暑いですが熱帯夜になるほどではなく、逆に冬が東北地方のように寒くなるらしいです。雪がふれば豪雪地帯となり、過去の記録では１０センチほど降り積もり、これ以上も多いとのことです。

しかし、江の川の支流が、Ｙの字のように三次盆地で合流するため、水運が盛んで河港があったそうです。

現在も河口付近に町が出来上がっており、水運はもうないですが陸路が発達し、中国自動車道、尾道自動車道、などの道路、芸備線など電車が走り、今でも交通の要衝としてにぎわっております。

ただ、交通の要衝というのは良いことばかりではなく、少なくても昔は人が行き来しやすいということは、誰もが求める土地でもありました。実際、三次市には１０以上の城の址があります。戦国時代、中国地方は大内氏・尼子氏の両雄によって争われており、毛利氏が結果的に漁夫の利を得ましたが、その戦火の名残が生々しく城跡として残っております。

一時期はここにも三次藩が存在していて、ただし後継ぎに恵まれず、他の藩に吸収される形で、わずか８８年で幕を閉じます。しかし、この時期から本格的に町の開発が行われ、京都のような古い町並みが、その名残を見せてくれます。

三次市の夏の風物詩、「鵜飼」。広島県無形民俗文化財に認定されており、夜の松明灯る川を進んでいく船を、鵜が深いところまで鮎を飲み込んでいく姿など、見る事ができます。

こちらは実は初代三次藩、藩主の浅野長治が関わっております。期限自体は落ち武者が伝えたのではないかと言われておりますが、実際に鵜匠の制度を取り入れたのは浅野でした。

日本一長いとされる約７メートルの手綱で、６，７羽の鵜を操り、鮎をとっていくのが三次の鵜飼だそうです。

交通の要衝として栄えた裏で悲しい戦いもありましたが、それでも誰かがつなげようとした文化が残っており、人の強さを実感させられる土地でした。

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