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相生市は兵庫県の南西にある市です。

北と南に伸びた形をしておりますが、ほとんどが山々で覆われ、中間にやや開けた平野部がございます。その平野部は南の相生湾とつながっており、そちらから漁業や造船が栄えました。

この相生湾はカニのはさみのような形をしていて入り組み、奥に行くと川とつながり、こちらで造船所が発達したようです。

JMUアムテックなど日本が誇る造船会社がございますが、こちらはこの相生市から誕生し、今も会社がございます。

明治の終わりまでは普通の漁村だったのですが、日露戦争が終わり、船舶の修理や造船が隆盛を極めていたようで、相生市も立地が良いために会社が設立されました。

村人は船渠を「わしらのドッグ」と呼び、造船所を「ハリマドッグ」と呼んでいたそうです。

一時期は二万人を超える従業員がおり、そのおかげか、相生駅は新幹線と在来線が停まる橋上駅になりました。

造船所がにぎわっていた頃、毎年行われるペーロン競漕も人気でした。こちらは現代でいうボート競技ですが、もとは中国からどうです。竜をかたどった木造の舟を使用し、複数人でオールを漕いで速さを競うものでした。

これが現代にも残っており、相生ぺーろん祭りとして毎年行われております。陸上では人々が踊り、海上では木造でできた竜がひた走る。

この走る姿も銅鑼と太鼓の音に合わせて行うもので、豪快で荒々しいながらも、海を割って突き進む姿は人々を魅了するものがあります。

造船の他にも海の幸が捕れて、相生牡蠣が有名です。

普通の牡蠣は食べるまでに２～３年の時間を要しますが、種付けから半年で大きく育つそうです。

氷ノ山、鳥取や兵庫県にかかる内陸の山の栄養が損保川や千種川から流れ落ち、それを丹念に吸い取ったのがこの牡蠣だそうです。そのため、身は大きく噛み応えがあり、焼いてもその大きさは変わらず、大きいままに食べられるそうです。

相生市の港では朝水揚げされた牡蠣が直売されているそうで、まさに海の恵みを丸ごと受け取ったような市だそうです。

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