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豊岡市は兵庫県の北部、日本海側に面している市でございます。

市のほとんどが山で覆われ、真ん中を日本海とつながっている円山川が通ります。山間に開けた平野部があり、こちらが豊岡盆地。そして、かつてこの地は但馬国と呼ばれておりました。この但馬国はアメノヒホコ伝説で有名です。

アメノヒホコ伝説は渡来伝説と呼ばれる遠くからこの地に神などが降り立つ話ですが、新羅の王子が愛する妻を追いかけて、この日本まで来たと言われています。それが但馬地方、この豊岡市も含む辺りらしいです。日本書紀だとまた違って播磨ではないかと言われておりますが、日本海に面していたため、渡来人が漂流した話が発展したのかもしれません。

今でこそ道路や線路が通っておりますが、昔は氷ノ山という標高１５１０メートルがある山々ばかりに囲まれて、交通は大変だったそうです。

しかし、豊岡市のほぼ中央、山間を切り開いてできた但馬空港がございます。交通の便をよくするために作られたようで、コウノトリ但馬空港とも呼ばれております。

この豊岡市では各地にコウノトリに関する名称や地名がありますが、ここはコウノトリ最後の生息地であり、復活した土地でもありました。

豊かな水源の円山川は多くの恵みを与えると共に氾濫も激しく、そのせいで多くの湿地帯も生まれました。その湿地帯は水田になり、コウノトリなどの生息地となっているそうです。

日本でコウノトリは一時期絶滅の危機に瀕しました。狩猟の解禁や、強力な農薬の影響、１９５６年には２３羽だけになっていたそうです。

１９７１年に豊岡で最後の一匹が捕獲され育てられますがこちらも死亡し、ついに日本からコウノトリが姿を消します。

西洋のイメージ（正確にはコウノトリとは別の種らしいですが）からコウノトリは子供を運ぶ、生命のイメージが強いかもしれません。その鳥が一度はこの国からいなくなったのです。

しかし、それまでにも日本でコウノトリの繁殖の研究は行われ、絶滅したあともロシアから幼鳥を譲り受け、育て、現在のように復活を果たします。

その重要な役目を負ったのが豊岡市にあるコウノトリの郷公園だそうです。現在はコウノトリがあちこちで目に入り、奇跡の復活を成し遂げたのです。

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