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岡山県瀬戸内市は、瀬戸内海に面した市です。

海には長島や「牛窓諸島」と呼ばれる島群があり、とくに旧牛窓町は日本のエーゲ海と呼ばれています。北西は吉井川を挟んでの千町平野が広がり、それ以外は西大平山、東大平山、四辻山などの山々が並んでいます。

北部の長船地域は刀剣制作の歴史が長く、「備前長船」という刀剣ブランドが有名です。

有名な刀ですと、「備前国長船住人平助近」、「備前国長船住守家造」、名工長光の「備前国長船住左近将監長光造」など、中には天皇に献上した刀もあります。

「備前おさふね刀剣の里　備前長船刀剣博物館」には、刀剣の歴史をまとめ、刀の博物館、物産展など行っています。

毎年４月や１１月に「備前福岡の大市」を開いています。国宝「一遍聖絵」に福岡の市が開かれる場所として描かれ、当時からこの地は有名だったようです。そして、こちらをモデルに現在も開いたのが大市です。

邑久地域の東南は瀬戸内海に面しており、長島や海岸などの自然の景観に恵まれています。とくに有名なのは「虫明迫門の曙」でしょうか。日本の朝日百選にも選ばれており、古くは「玉葉和歌集」から平忠盛（平清盛の父）に詠まれています。「岡山いこいの村」という宿泊施設からもよく見えるらしく、こちらにはその忠盛の歌碑があります。

この地では米やビール麦、レモンやピオーネ、そして「岡山牡蠣」が名産品です。

また千町平野を北から見下ろす丘陵地には「砥石城址」があり、戦国の貴公子・宇喜多直家はここで生まれました。そして、戦後に活躍した画家「竹久夢二の生家」、瀬戸内市に生まれた世界的な糸操り人形師・故竹田喜之助氏を顕彰し、毎年「喜之助人形劇フェスタ」も開かれます。

そしていくつかの諸島もある牛窓地域、かつては「唐子の瀬戸」と呼ばれた良港があり、現在はマリンスポーツに適して、公営マリーナや牛窓ヨットハーバーなどがあります。

「街角ミュゼ牛窓文化館（旧中国銀行牛窓支店）」は有形文化財で、「本蓮寺」は毎年「瀬戸内牛窓国際交流フェスタ」が開かれ、高台に位置して辺りを見渡せる「五香宮」、かなりの歴史を持つ「牛窓神社」、「牛窓海遊文化館」は牛窓だんじりや朝鮮通信使の文化交流資料が展示され、オリーブ園も有名です。干潮時には島と島が砂州でつながる「黒島ヴィーナスロード」、夕陽百選に選ばれた「牛窓の夕陽」もあります。